トレスタ白山の閉館理由は?跡地の現在と復活の真相を徹底解説
香川県木田郡三木町のランドマークとして、半世紀近くにわたり四国中の家族連れやアスリートに愛されてきた大型複合リゾート「トレスタ白山」。夏にはウォータースライダーから子どもたちの歓声が響き、冬には四国唯一となる公認規格の屋内アイスアリーナに各地からスケーターが集う光景は、香川県民にとって馴染み深い原風景でした。
しかし、惜しまれつつ全館営業終了の幕を下ろして以降、インターネット上では「なぜあれほどの人気施設が閉館したのか」「跡地は今どうなっているのか」「再開の可能性は残されていないのか」といった疑問が途切れることはありません。本稿では、報道各社の取材記録、行政の公開資料、運営関係者の証言を徹底再検証し、トレスタ白山が歩んだ営業終了までの真実と、現在の跡地を巡る最新動向を詳しくレポートします。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:閉館の決定打は、コロナ禍による宿泊・宴会需要の激減と、昭和期からの設備老朽化に伴う数億円規模の改修負担が重なったこと。
- 要点2:「四国唯一の氷の聖地」を守るため3万筆を超える存続署名が集まるも、巨額の維持管理費と冷凍設備更新が壁となり完全閉鎖へ。
- 要点3:2026年現在の跡地は解体・整地が進展しており、ことでん白山駅前という好立地を生かした民間開発や地域振興の模索が続く。
【真相解明】トレスタ白山はなぜ閉館したのか?営業終了に至る決定的な背景
トレスタ白山の歴史は、1974年に旧社会保険庁所管の厚生年金健康福祉センター「サンピアさぬき」として開業したことに端を発します。2007年に公的年金流用批判を受けた国の施設整理策に伴い民間へ売却され、リゾートホテル「屋島灘温泉トレスタ白山」として再出発を切りました。広大な敷地には天然温泉、本格会席を提供する宿泊棟、テニスコート5面、夏季限定の屋外レジャープール、そして冬季限定の屋内アイスアリーナを完備し、年間を通じて多くの利用客で賑わっていました。
しかし、順調に見えたリゾート経営の足元では、構造的な危機が深刻化していました。地元経済関係者や運営元の発表資料が明かす閉館に至る3大要因は以下の通りです。
第1の要因は、施設全体の大規模な老朽化です。開業から40年以上が経過し、建物の基礎部分のみならず、温泉のボイラー設備、プールのろ過循環装置、空調設備などが耐用年数を大幅に超過していました。安心・安全な営業を継続するためには、一度に数億円規模の設備投資を断行する必要に迫られていました。
第2の要因は、2020年春以降に世界を襲ったコロナ禍による宿泊・料飲事業の壊滅的打撃です。トレスタ白山の経営基盤を支えていたのは、地元企業の宴会利用、学校関係の合宿、インバウンドを含む観光客の宿泊でした。感染拡大防止に伴う移動制限やイベント自粛要請により、売上の柱であったホテル事業の稼働率は急落しました。
そして第3の決定打となったのが、エネルギー価格の急騰とアイスアリーナ維持費の圧迫です。広大な氷面を冷やし続ける冷凍設備は莫大な電力を消費します。冷凍設備の老朽化によるフロン冷媒の規制対応更新には莫大な費用が見込まれていたうえ、電気料金の単価高騰が直撃し、日を追うごとに赤字幅が拡大していきました。
複合的な打撃に直面した運営会社は、民間単独での事業継続は不可能と判断。2021年9月30日をもって宿泊棟、温泉、屋外プール、テニスコートの営業を終了し、地域に激震が走りました。

【激動のドラマ】四国唯一のアイスアリーナ消失と「存続署名」が直面した現実
全館閉館の告知がなされた際、香川県内のみならず四国全域に大きな衝撃を与えたのが「アイスアリーナ(スケートリンク)」の処遇でした。トレスタ白山のアイスアリーナは、四国4県で唯一、国際規格(60m×30m)を満たす通年型・冬季営業の屋内リンクだったからです。
アイスホッケーの社会人・学生チーム、フィギュアスケートの有望選手たちにとって、このリンクは単なるレジャー施設ではなく、競技生活を維持するための「唯一無二の生命線」でした。ここを失えば、競技練習のために瀬戸大橋を渡って岡山県倉敷市のリンクや関西方面まで遠征しなければならず、経済的・時間的負担は計り知れません。
閉館方針の発表を受け、香川県アイスホッケー連盟や県スケート連盟、地元の保護者有志が立ち上がり、大規模な存続を求める署名活動が展開されました。集まった署名は目標を大きく突破し、最終的に3万筆以上の署名が三木町および香川県へ提出される事態となりました。当時の関係者による記者会見では、「多くの子どもたちから夢の場を奪わないでほしい」という悲痛な声が震える手とともに語られ、テレビや新聞各社で連日報じられました。
署名の熱意を受け、アイスリンクのみは2021年冬から2022年春にかけて特別に最終シーズンの営業が継続されました。しかし、自治体による公金の投入や施設買収を巡る協議は難航を極めます。三木町や香川県が直面したのは、以下のシビアな現実でした。
アリーナの冷却設備を全面刷新するには概算で約3億〜5億円の初期投資が必要と見積もられ、さらに毎年の運営維持費として数千万円単位の赤字補填を行政が負担し続けなければならない計算でした。人口約2万7000人の三木町の財政規模において、特定競技の利用が中心となる民間施設に対してこれほどの巨額公費を投じることには、町議会や町民全体の間で賛否が割れました。結果として行政による買い取り公営化は断念され、2022年春の営業をもって、四国の氷上スポーツを支え続けた名門リンクは完全閉鎖となりました。
【データ比較】トレスタ白山の主要施設スペックと閉館リスクの構造分析
なぜトレスタ白山は単独での黒字化を維持できず、行政支援も成立しなかったのか。当時の施設スペック、改修にかかるコスト、他地域のリゾート施設相場と比較したデータを以下に示します。
| 施設・評価項目 | トレスタ白山の仕様・数値データ | 一般的な同規模施設の基準・相場 | 編集部の見解・分析 |
|---|---|---|---|
| アイスアリーナ (屋内リンク) | 公認国際規格(60m×30m) 冬季限定営業(四国唯一) | 公営リンクは全国的に通年営業へ移行が進む | 四国唯一の競技拠点としての希少性は絶大だったが、単体収支は冷凍動力費の圧迫で恒常的赤字体質だった。 |
| レジャープール (屋外施設) | 流れるプール、直線スライダー、幼児プール完備(夏季限定) | 自治体直営または大規模遊園地併設型が主流 | 夏休みのファミリー集客力は抜群だったが、稼働期間が約40日間と極めて短く、通年の減価償却費を賄えなかった。 |
| 宿泊・温泉棟 | 客室数約40室、天然温泉露天風呂、大宴会場、レストラン | 地方リゾートホテル損益分岐点稼働率:約65〜70% | スポーツ合宿や地元団体の宴会需要に依存していたため、コロナ禍に伴う集客制限で稼働率が損益分岐点を大幅に下回った。 |
| 施設更新費用 (改修見積額) | 概算約3億〜5億円以上 (冷媒装置・建屋耐震・ボイラー等) | 築40年超の大規模公設民営リゾート改修:4億〜8億円 | 投資回収の見込みが立たず、民間企業が自己資金で賄う限界を完全に超えていた。 |
| 存続運動と行政判断 | 3万筆超の請願署名提出 三木町・香川県による買収は見送り | 自治体人口2万人台での複合スポーツ施設公営化例は極めて稀 | 住民1人あたりの将来負担を考慮すると、自治体が公金で救済買収に踏み切ることは財政規律上困難だった。 |
データが物語る通り、トレスタ白山は「夏はプール、冬はスケート、夜は温泉と宴会」という昭和から平成初期にかけて成立した多機能リゾートモデルを最後まで守り抜いていました。しかし、施設の高コスト体質と自然減税収に悩む地方自治体の財政事情が重なり、民間・行政のどちらも単独では引き受けられない規模に膨らみ切っていたことがわかります。

【2026年最新】トレスタ白山跡地の現在はどうなっているのか?解体と再開発の動向
閉館から年月が流れた2026年現在、現地を訪れると風景は一変しています。かつて多くの車で埋め尽くされていた250台収容の広大な駐車場はフェンスで囲われ、敷地内への立ち入りは厳重に制限されています。
閉館後、安全面への懸念や不法侵入防止の観点から建物の解体工事および敷地の整地作業が順次進められました。巨大なスライダーループが象徴的だった屋外プールエリアや、スケートリンクが入っていたアリーナ棟は撤去工事が行われ、かつての喧騒を偲ばせる構築物は姿を消しつつあります。
では、更地化が進む広大な跡地(敷地面積約6万平方メートル超)の今後はどうなるのでしょうか。現地関係者への取材や三木町の動向から見えてくる最新シナリオは以下の通りです。
第1に、民間事業者による産業・物流・福祉関連用地としての活用検討です。トレスタ白山の跡地は、高松市中心部へと直結する「ことでん長尾線・白山駅」から徒歩3分という交通至便な立地にあります。主要地方道にも隣接しており、大型トラックの進入も容易なことから、地域医療・介護福祉施設、物流中継拠点、あるいは大規模な太陽光発電設備や住宅用地など、複数事業者による開発構想が取り沙汰されています。
第2に、防災機能や緑地を取り入れた地域共生型の土地利用です。白山の麓に位置する自然豊かな景観を守りつつ、災害時の一時避難拠点やコミュニティ空間として一部を行政や地元団体が利活用できないかという模索も続けられています。
一部のネット掲示板やSNSでは「外資系テーマパークができる」「新しいスケートリンクが開業する」といった根拠のない憶測が飛び交うことがありますが、2026年現在、商業レジャー施設や大型アリーナとして過去と同形態で再建される具体的な計画は存在しません。
ネットの反応と噂の真偽|「再開の可能性」と「営業中」という誤認を正す
閉館から時間が経過した今もなお、インターネット上では利用者の間でさまざまな混乱や惜しむ声が渦巻いています。ここでよく見られる誤認とネット上の反響を整理します。
宿泊予約サイトのキャッシュによる「営業中」との勘違い
検索エンジンの検索結果や旅行比較サイトの一部では、過去の掲載データ(「ビジネスツインプラン」「屋島灘温泉」などのページ情報)が機械的なインデックスとして残存しているケースがあります。これにより、「トレスタ白山はまだ営業しているのでは?」と誤解して予約を試みようとするユーザーが見受けられますが、現地でのホテル営業・温泉営業・日帰り入浴は一切行われていません。
「奇跡の再開」を信じるファンの熱量とSNSの声
X(旧Twitter)や地域コミュニティサイトでは、毎年夏や冬のシーズンを迎えるたびに、かつての思い出を投稿するファンが後を絶ちません。
- 「子どもの頃、夏休みといえばトレスタの流れるプールだった。あの場所が更地になっているのを見て涙が出た」
- 「四国からアイスホッケーの火が消えてしまった。練習のために毎週岡山まで通う保護者の負担は本当に重い」
- 「白山駅を降りてすぐに見えた大きな看板が懐かしい。三木町の活気を取り戻すような施設に生まれ変わってほしい」
ネット上の反応を検証すると、単なるリゾートホテルの閉館にとどまらず、「四国のスポーツ文化の喪失」に対する無念さが色濃く残されていることが浮き彫りになっています。

【専門家分析】公設民営リゾートの限界と地域インフラ維持の教訓
トレスタ白山の閉館劇は、一地方のリゾートホテルの倒産という枠組みを超え、日本全国の地方都市が直面する「公設民営インフラの持続可能性」という重い構造課題を提示しています。
バブル期前後に年金資金や公的資金によって全国各地に建設された保養施設(サンピアやウェルサンピアなど)は、2000年代中盤の行政改革によって相次いで民間へ安価で払い下げられました。民間事業者のノウハウによって一时的に黒字化を達成した施設も多かったものの、それから15〜20年が経過した現在、「一斉に押し寄せる老朽化修繕費の壁」に突き当たっています。
民間企業にとって、採算性の低いスポーツインフラ(特にアイスリンクや公認プール)を単独で維持し続けることは、営利原則から見ても不可能です。一方で、人口減少局面にある地方自治体にとっても、限られた税収を特定のスポーツ施設維持に数億円単位で投じることへの住民合意形成は極めて困難です。
【プロの結論】地方創生における「愛された施設」の出口戦略
トレスタ白山の事例から導き出される最大の教訓は、「民営化された公共的インフラの延命には、早い段階での公民連携(PPP/PFI)や広域連携の枠組み構築が不可欠だった」という点です。県境を越えて四国全土から利用者が集まっていたスケートリンクであれば、三木町単独ではなく、香川県や四国4県の自治体、競技団体、民間スポンサーが共同出資する第三セクター方式など、広域受益者負担のスキームを老朽化が限界に達する前に模索しておくべきでした。
形ある施設が消滅してしまった現実は覆せませんが、立地特性を生かした土地利用を通じて、三木町に新たな経済循環と雇用を生み出すことこそが、トレスタ白山が遺した次なる使命と言えます。
【トレスタ 白山】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:トレスタ白山は現在、日帰り温泉やランチの利用はできますか?
A1:できません。2021年9月30日をもって宿泊棟、レストラン、屋島灘温泉、プール、テニスコートを含むすべての営業を終了しており、現在は施設解体・更地化が進んでいます。
Q2:スケートリンクが今後、同じ場所で再開する可能性はありますか?
A2:再開の可能性はありません。存続を求める大規模な署名運動が行われましたが、巨額の設備改修費(数億円規模)と維持費の工面がつかず、行政による公営化も見送られたため、スケートリンク設備は完全に撤去されました。
Q3:現在、香川県内や四国でアイススケートができる場所はありますか?
A3:現在、四国地方には公認規格を満たす常設の屋内アイススケート場は存在しません。そのため、競技者やスケート愛好家は岡山県倉敷市にある「ヘルスピア倉敷」や関西方面のリンクまで足を運んで活動を行っています。
Q4:トレスタ白山の跡地には何ができる予定ですか?
A4:ことでん白山駅前という交通アクセスの良さを生かし、民間事業者による福祉施設、物流・産業拠点、住宅地などの活用が検討されています。現時点で過去のような大型レジャー施設が再建される計画はありません。
まとめ:トレスタ白山が遺した記憶とこれからの地域展望
香川県三木町の「トレスタ白山」が閉館に至った背景には、コロナ禍という突発的な危機だけでなく、昭和から平成を駆け抜けた大型施設の経年劣化と、地方におけるエネルギー・修繕コストの増大という抗えない構造的要因がありました。
四国唯一のアイスアリーナを守るために集まった3万筆超の署名は、この施設がいかに多くの人々の青春や挑戦を支えてきたかの動かぬ証拠です。物理的な建物が姿を消しても、そこで育まれたスケーターたちの情熱や、家族で過ごした夏の思い出の価値が色あせることはありません。
2026年の今、白山駅前の広大な敷地は新たな歴史を刻むための過渡期にあります。かつて県内外から人を呼び込み、笑顔を届けてくれたトレスタ白山の記憶を受け継ぎながら、地域社会に実りをもたらす新たな再開発の進展が静かに期待されています。 (出典: トレスタ 白山(Yahoo!ニュース))